VRによるシミュレーションレーシングの進化:元チャンピオンが語る体験談

なぜVRを使用してレーシングを始めたのか、そしてVR体験について、私たちは小林さんにお聞きしました。小林さんさんは、富士スピードウェイで行われる富士チャンピンレースシリーズのロードスターカップで2度シリーズチャンピオンに輝いたアマチュアレーサーです。現実のレースから引退後、オンラインレーシミュレーターiRacingを始めましたが、2D画面では思うようにドライビングできませんでした。そこで、VRヘッドセットを導入し、よりリアルな体験を得ることで成績が向上しました。
VRによるシミュレーションレーシングの進化:元チャンピオンが語る体験談

 

2008 2009 fuji champion Race series      Roadster CUP series champion
2024 Pimax Sim Lap Challenge 2位

 

オンラインレーシングへの挑戦
 何故VRなのか?
 私は長年アマチュアのモータースポーツを楽しみ、その中で富士スピードウェイで行われる富士チャンピンレースシリーズ、ロードスターカップのシリーズチャンピンを2度獲得しました。
 現実のレースから身を引いた後、友人の誘いでオンラインレーシングシュミレーターのiRacingを始めたのです。
 もちろん!自信はありましたよ!
 プロドライバーが乗るGT3やビックフォーミュラカーの経験はありませんが、Mazda MX-5くらいならすぐに良い成績が出せるだろうと・・・マチュアと言えども一応チャンピオンですから・・・
 
思わぬ壁:立体視と2Dモニターの違い
 ところがです。なんということでしょう・・
全く思うようなドライビングができないのです。
 何故か??
 私のドライビングはすべて現実の経験に基づいています。
 現実の世界では加速度(G)、3次元の景色がありますよね。
 皆さん、人間は両目の視差で立体に見えるとこをご存じでしょうか?
片目を閉じて物を触ったり、掴もうとしてみて下さい。位置がずれたり空振りしませんか?
 2Dモニターはまさにこういうことです。もちろん描画により立体感や距離は表現されていますが実際の立体視とは違います。
 現実のレースから2Dの世界に飛び込んだ私はなかなか適応できませんでした。
 

VR導入の決断と成果
 私がSimRaceを始めたころ、ようやく第一世代のコンシューマー向けVRヘッドセットが販売されるようになり、思い切ってVRの導入をしました。
 そして・・・この表が真実です!

仮想Gの感覚と新たな体験
 現実と同じ距離感でドライブできるようになり、停滞していた成績は右肩上がりに上昇したのです。
 当時のVRは解像度が低く今思えばかなり酷いものでしたが、それでも私にとってはゲームチェンジャーでした!
 バーチャルの世界にはないGでさえ距離感がスピード感を生み出し、仮想Gのような感覚も生まれてきたのです。
 私がVRを手にしてから約6年。VRヘッドセットは進化し続け、ついにcrystalが登場しました。Crystalcrystal lightでのドライブは正にバーチャルリアリティを言えるでしょう。
 
執筆者:小林
・富士チャンピンレース 08’09’ロードスターカップチャンピオン
・配信チャンネル:
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Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCDWo1g_ZtNyXTk099rV7SNw?view_as=subscriber

「racing初心者向けビデオ配信などやってます。 車は何故曲がるの?等のビデオです。 富士チャンピンレース 08’09’ロードスターカップチャンピオン」