フライトシムに限らず、乗り物系シムとVRの相性が抜群であるというのはもはや周知の事実かもしれません。
VRを体験したことがある人も、そうでない人もこの記事を読んで参考にして頂ければ幸いです。
私の初めてのVRはOculus Rift CV1、今となっては骨董品ですがそれですら初めて装着した時の感動というのは素晴らしいものでした。
視差があるので旅客機であればグレアシールドの出っ張りと計器部分までの距離感の差をはっきり掴めますし、戦闘機であればこの機体は狭いな、この機体は広いな、といったことから、どこを見てもシムの景色、圧倒的な立体感という圧巻の没入感など卓上モニターでは経験できない感動でいっぱいです。
実用的な部分でもメリットがあります。
視差があるので空間を把握しやすいのです。例えば普通に飛行している時でも距離感や空間の変化(機体の動き)を把握しやすくなるので操縦性が上がりますし、電波高度計の無い機体でも地上との高度差を測りやすいことから滑走路にタッチダウンするタイミングが掴みやすくなりました。
計器をあまり見る必要の無いPA-28やC172といった小型機に限っては卓上モニターより圧倒的にVRの方が操縦しやすかったのです。
しかし、当時のOculus Riftでは問題点もありました。解像度が低く、計器が全く読めないことです。
姿勢指示器の傾きがどれくらいかを判別したり、昇降計の針の大体の位置を把握するのが精一杯で、PFDに表示される速度や高度などの基本的な情報から、戦闘機であればMFDの文字やスイッチのラベルなど、殆どが潰れてしまって判別不能だったのです。
フライトシムでは実機と同じ計器から情報を読み取って機体を操縦しなければなりません。一般的なシューティングゲームのような超巨大HUDなどは存在しないわけです。
しかし、計器が読めなければ操縦も満足なものにはならず、戦闘機であればマトモな戦闘も難しくなります。旅客機であればフライト前のCDU入力から文字が読めず、諦めざるを得ませんでした。
こうした経験から、私個人としてはフライトシムをVRでプレイする時に一番重要なのは「解像度」であると考えるようになりました。
その後、暫くは計器を読み取って飛行したい時(IFRやDCS近代機など)は通常のモニター、景色重視で飛びたい時(VFRなど)はVRと使い分けるようになります。
VRの没入感とディスプレイの視認性、両立できたら素晴らしいと頭の中では考えていた所、近年出てきたのが高解像度ディスプレイを搭載したVRです。
体験した時に、これはすごい。二度目の感動が押し寄せました。
計器をしっかりと判別し、適切な操縦、機器の扱いができます。何も不自由はありません。更に、高解像度だと地上を判別しやすく、飛行場/滑走路はどこかと探す手間が減ったのです。
特にMSFSの様なシムでは地上オブジェクトの数も多く、また全体的に似たような色合いの地形が広がっているため、滑走路を探すのが低画質では難しかったのですが、高解像度VRでは全くそのようなことが起きません。正に理想の景色がそこに広がっていました。
やはりフライトシムに解像度は必須要素であると改めて確信したのです。
しかしながら、高画質VRは軒並み30万円以上という金額の壁が存在しました。
石油王なら端金ですが、一般人にとっては大金です。ましてや30万というとハイスペックなPCを一つ組めてしまいます。
今は様々なVRが出ています。入門グレードで言えばMeta Quest3やPICO4 Ultra辺りが主流でしょうか。これらのVRなら価格も安く、普通のVRゲームをやるには問題無い性能を備えていると思います。しかし、フライトシムを満足にプレイするにはやはり解像度が足りないのです。ただ高解像度VRは値段が高い...この葛藤がありました。
そこで今年出たのがPimax Crystal Lightです。30万円帯のVRと同等の解像度、レンズ、ディスプレイを持ちながら、価格が半額の15万円ほどとかなり価格を抑えて登場しました。
同じ性能で半値ですからコスパが良いのは間違いありません。更にフライトシムを満足にプレイするのに十分なスペックを備えています。
実際に使っているのですが、30万円帯と遜色の無い画質であり、発色に関して言えば寧ろ上回っている点も多々あります。
「フライトシムに適した高解像度」かつ「高コスパ」の条件を満たしているのは現状Pimax Crystal Lightのみで、一番オススメできる製品です。
もちろん入門向けVRでも感動は味わえます。
ただ、高解像度VRであればフライトシムの端から端まで全てを楽しむことができるので、フライトシム愛好家としてはPimax Crystal Lightの様な高解像度VRが一番オススメであると考えています。
Pimax Crystal Lightを実際に使った動画も上げておりますので参考にして頂ければ幸いです。